サンプルロル
【自己紹介から】
この度皆様と共に勉学に励ませて頂きます、かの「強欲の魔女」が子孫、今代の強欲の魔女。フォリア・ルイスです。以後お見知りおきを。
(黒服と白服で分け隔てられた教室の席を視野に入れる、我が君の気配は近い筈。教壇の上からその生徒らを見上げては目線を彷徨わせ、白服の男に目が行く。それは自分が生涯愛すると決めた男だった。 生きていてくれた――その事実だけで胸が締め付けられるような喜びと言葉に出来ない様な複雑な感情が胸を満たした。それが表情に出さないよう細心の注意を払いながらただの17歳の仮面を被る、制服のスカートを軽く持ち上げて軽く会釈をすると”自分”の子孫として身分を偽る自己紹介をして 苺色の瞳をゆったりと細めて微笑みかけたかと思えば、愛おしくて、憎い彼に向かって歩を進める。そして机を挟んで相手の前に立つなり隣の白い少女に目線を向けた後、目線を戻し問い掛け)
―――私の事、覚えていらして?アノス・ヴォルディゴード様。
【再会後二人きりで】
……お久しぶりですわ、アノス様。
(一日魔王学院の学科を受けてすっかり下校時間となっていた。正直つまらない授業である、知っている事ばかりでノートにペンを滑らせるのさえ飽きてしまいそうだったが普通の皇族として振る舞うには必要不可欠な事である為である。先程まで皇族や混血の声で溢れ賑やかだった教室には今や相手と自分の二人きり。夕焼けが教室を照らし、その色は心を穏やかにさせるものだった。もう、ただの生徒のフリは良いだろう、目を伏せて結い上げていた髪を下ろし17歳の仮面を剥ぐと横髪を耳に掛けて瞳を開く、その瞳には相手を確かに映した。―――だがその瞳は再会の喜びだけではない、もっと深い感情が強く滲み出されていて…だが彼女は其れでも唇で彼を愛していると口にするのだろう。…ゆっくりと相手の頬に向けて手を伸ばし上記を口にし)