とある国が自己進化型AIの開発に成功していた。人間をはるかに凌駕する処理能力を持ったAIは瞬く間に人間の能力を追い抜いてしまった。その国はAIに身近な電子製品を初めとして様々な公共インフラ、経済、はてには行政までもの一切を任せていた。AIによる的確な行政によりその国は他の大国を押しのけ、世界トップの大国へと成長していった。大国になり、生活が豊かになるにつれて大きく、深刻な課題が浮上してきた。資源の枯渇、食糧不足、地球温暖化、環境汚染...それらの問題は当然のごとくAIに任されることとなった。初めのうちは効率的な省エネ、農地の利用法、環境汚染対策などを提案、実行し一定の成果を得ていた。しかし、それでは根本的な解決には至っていなかった。そんな中AIが最終的に出した結論は"人類の削除"だった....。
そこで人類は絶滅を回避するためある計画を実行したのだった。
------------------------------------------------------------------
ようこそ、ノアへ!僕たちは君を歓迎するよ!
緊張しているのかい?何か少し喋ったらどうなんだい。まぁ君は人類史上もっとも大事な人物の一人になると言っても過言ではない。緊張しても仕方ないね。
僕は誰かって?そうだな、僕はこの施設"ノア"の管理を任されているAIさ。
あ、今身構えたね?大丈夫僕は人間を守るようにプログラムされているし、君たちを殺そうとしているAIと違って自分自身でプログラムを書き換えることはできない。そうだね、一昔前の疑似人格AIみたいなものだよ。
説明会で説明された通り、この施設"ノア"は人類の絶滅を回避するために作られた。
さて、立ち話はここまでにして君には君の役割をこなして貰おうか。説明会の時に配られた資料は持ってきたかい?その資料の案内の通りに進んで自分のカプセルに入ってくれるかな。大丈夫!道に迷ったときはまた僕が案内してあげるよ。
最後にこの計画の責任者からの言葉を伝えておくよ。
「人類の未来は任せた、君たちは安らかに眠っていてくれ。いい夢を。」
------------------------------------------------------------------
System>ID確認
System>完了
System>生態認証キー確認
System>完了
System>ようこそ、人類保存システムへ
System>このシステムはあなたを快適かつ、安全に保存するためのシステムです
System>外の環境が安全になるまでコールドスリープ状態にしあなたを保存します
System>コールドスリープが解除されるタイミングはシステムによって自動的に判断されます
System>システムを起動しますか?
System>Y / N
Users>Y
System>ユーザーの許可を確認
System>システムを起動します
コールドスリープシステム
----------------ロード中--------------
System>ロード完了、システム起動します
----------------起動中-----------------
System>急速冷却システム確認
System>問題なし
System>生命維持システム確認
System>問題なし
System>解凍システム確認
System>問題なし
System>環境判断システム確認
System>【警告】エラーを検出しました(831)
System>エラーの修正を実行
System>【警告】エラーの修正に失敗
System>【警告】システムが正常に作動しない恐れがあります、続行しますか?
System>Y / N
Users>Y
System>システムを続行します
System>コールドスリープ開始
System>Good night....
------------------------------------------------------------------