── 魔王様が封印された。その大事件の顛末は、三日も経たない内に世界中へと広まることとなった。
世界の半分を手中に収めていた魔王率いる魔族ともう半分を治めていた人族は、関係が良好とはいかないまでも、勢力が拮抗していた事もあり大きな争いのない時代が永く続いていた。
しかし、残虐非道な性質を持つ魔族と共存する事に耐えかねた人族は協定を破り魔領に侵攻。完全に居をつかれてしまった魔王はあっさりと命を落としてしまい、瓦解した魔族は次々と殺され、遂に「黄泉島」を除いて全滅させられる。
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〘世界観〙
世界は天上にある『天界』、地上にある『地上界』、深層にあるとされる『冥界』から出来ている。
◻︎天界
天界には創世した神族、使いの天使、そして人間と神の中間的存在の精霊が存在する。それぞれ数は少ないものの、強大な力を有している。総じて神族。神族はお腹が空いたりする事は無いが、地上界の食物を口にすると二度と戻れなくなってしまう。地上界と天界を侵そうとする冥界の住人とは敵対しており、人間に協力的。
◻︎地上界
天界から降りてきた天使、精霊や人間に半獣・半鳥等亜人族を含めた人族、そして魔族が混在している。かつては魔族は、神に劣らない程の実力を持った魔王によって統制され、人間と神族に対して拮抗を保っていたものの、神族の助力によって力を得た人族によって封印され、魔族は虐殺される。その後、殆どが人族が治める事となった。
◻︎冥界
冥界は冥界王によって治められており、その住人は全て天界、地上界の生物が死んで魂となる事で生まれる。冥界の住人が死ぬと魂は解放されて、また生物に転生する。冥界王は世界を統一する野望を抱いており、その為に地上界に住民を派遣して勢力を拡大しようとしている。冥界の住人には階級があり、冥界王>魔族>モンスター族とカースト関係があって、魔族にはヴァンパイアやローレライ、モンスター族にはスケルトンや人狼など様々な種族が存在している。冥界には植物が自生する他、モンスター族も食物とされたりする。地上界の食べ物と比べると非常にまずい。