世界観①
底に在るのはご存知苦しみ。
だから永遠をもとめるんでしょ?
なに吸ったって惨めなら、愛をはち切れるまでドーゾ。
うずたかく坐す光輝の要塞。
啜り哭く声は聖女の愛嬌。
血に濡れた路地裏を他所に、店先の豪奢なネオンは瞬く。
流れ込む異郷の衆にさえ、業は深く染みつくだろうか。
霞むばかりの視界で、道を踏むのは難しい。
だから、ほら、ユメの手招きを——。
「Chase self」
そう囁いたのは、亡霊か、それとも。
灰園(ガーデン・オヴ・フェアリース)
塩霧神社/エンキリジンジャ
昔「エンミランド」という名前の遊園地が建っていた神社。忘れられた神が起こって一晩で廃園させ、それを鎮めるために神社を立てたのだとか。手入れはされているものの、かつてはなかったのだろう樹木等が並ぶ。施設自体は形よく残っているがどれも神社の風体を保つためか妙な和風の装飾で飾られ、中心にはいっそ神秘的なほど新しい神社の施設がある。また、隅の方にある観覧車はまだ動いており、安全性の保証はないが乗ることも可能。動力は不明。
Happy kinder Factory/ハッピー・キンダー・ファクトリー/HKF
広大な敷地を誇る総合型娯楽施設。ショッピングエリア、シアターにイベントエリアなど、時間を潰すのにはもってこい。開放感に溢れており、健全な遊び場として真っ先にあげられる場所。幽霊が出ると噂の空きテナントは立ち入り禁止とこそ銘打たれているものの、動画撮影者や若者の立ち入りが後を絶たず黙認されている。時折行方不明者が出るとの噂はあるが、ここを取り仕切るオーナーの意向により捜査は為されない。然るべき金額を払えば、区画の一部を借りることも可能。
倒人塔楼/タオレンターロウ
この世界の地下に無限とも思えるほど広がる繁華街。かつては本当に塔だったが、地震によって倒れ、地面に埋まるほどの月日が経った、というのは眉唾物の噂。いつでも暗く、太陽の光が届くことはない。代わりに鮮やかなネオンが埋め尽くす。闇市に人売りになんでも御座れ。舞台の中で一番表沙汰に暗いことをしているのはここ。建物は違法建築だと一眼でわかる並びをしているが、倒れないのは能力者の関与も関係しているとかいないとか。
政府要塞/セイフヨウサイ
北と南にそれぞれ大きなタワーが一本ずつ立つ政府の要塞。二つのビルを取り囲むように真円状の大きな囲いがぐるりと存在しており、内の人間の出入りはできても、外の人間の出入りは警備上難しい。囲いの内側は政府要人や高所得者の住む一等地であり、この周囲にある施設はどれもこの街に似つかわしくないほど秩序ある風体をしている。二本あるタワーのうち南側は共益追求派、北側は独裁推進派。
ホワイトウイングキャッスル/WWC
政府要塞南側にある塔。共益追求派の居城。外観は真っ白いものの、中の施設や設備は目に痛いほどの赤、差し色程度に使われる黄色で構成されている。
ボンドシャックルフォート/BDF
政府要塞北側にある塔。独裁推進派の居城。外観は黒に挿し色が適度に使われたもの、内の施設はそれぞれの区画がそれぞれの担当者によって好みの景観に設えられている。
異聖地/イセイチ
この世界に元からは居なかったものたちの暮らす場所。この世界に元からはなかった【ゲート】と呼ばれる隙間から、ありとあらゆるすべてが吐き出される。ゲートの周囲に自然と彼らは住まうようになるが、ある一定以上の円形から先にこの世界に元からいなかったものたちが住み着くことは稀。
ライヴラリ/library
表立っては最大規模の本屋の顔をしているが、裏の顔は非合法のドラッグストア。此処に立ち寄れば基本はなんでも揃う。”ふるほんいち”と銘打たれ、月に何度かドラッグの売人たちが手ずから売りに来ることも。そうとは知らず、本をただ売り買いするだけの幸運な客も、そのうち深淵に足を踏み入れるかもしれない。
!!想定される役職
このほかにも自由に創作して構いません。
塩霧神社の雇われ神主
備考:パイプに無関心なキャラでどうぞ。
塩霧神社の姫御子
備考:パイプに無関心なキャラでどうぞ。
塩霧神社の神職者
エンミランド関係者/無限
HKF総支配人
HKF副支配人
備考:金に御執心なキャラでどうぞ。
HKFグループ関係者
塔楼元締め
備考:パイプに大きな関係あるキャラでどうぞ。
塔楼賭場の胴元
備考:パイプに大きな関係あるキャラでどうぞ。
塔楼のブローカー
備考:パイプに大きな関係あるキャラでどうぞ。
塔楼関係者/無限
WWC最高記録者
備考:記録者は他組織での最高幹部的地位を指す。
WWC根幹記録者
備考:根幹記録者は他組織での重要幹部的地位を指す。
WWC構成員
備考:一般の幹部、末端の組織員を指す場合はこれに当たる。
BDF総裁
備考:総裁は他組織での最高幹部的地位を指す。
BDF暗部司令
備考:表向きには存在しないとされる諜報などを行う組織の最高責任者を指す。
BDF構成員
備考:一般の幹部、末端の構成員を指す場合これにあたる。
異聖地の住人
備考:他なりきりから流入させるキャラクターで行き場所に困った場合は此処へどうぞ。流入キャラ自体は他の場所や役職持ちにつけても問題ありません。
聖堂の主人
備考:表向きに、或いは内面も平和主義者であるキャラでどうぞ。
妖精の花園の住人
備考:聖堂関係者及び近くに住んでいる・店を構えているキャラはこちらへどうぞ。
ライヴラリ司書
備考:本と薬物、どちらか或いは両方に精通したキャラでどうぞ。
“叡智の系譜”関係者
備考:ライヴラリで薬の売人をする互助組織の構成員であるキャラをどうぞ。基本的に上下関係のある組織ではありません。
その他
備考:テンプレートにて補足をどうぞ。
!!用語
パイプ/pype=この世界に於いてのスラング。人との繋がり、なくてはならないエネルギーのほか、中毒性の非常に高いドラッグの総群のことを指す。ことに近頃流行っているのは”リーフヴェイン”と呼ばれるダウナー系のものと、”スモークキャンドル”と呼ばれるアッパー系のもの。本当の名前は二つとも別にあるらしい。服用するとどちらも束の間極上の躁、至高の鬱状態へ連れて行ってくれるが、その効果が切れればすぐさま副作用として、既存のものと同じ幻覚、幻聴、悪寒や嘔吐などというものと同時、”他人への害意が著しく増す”傾向を捉えることができる。一度の服用量を調節すれば、兵隊を作ることにはもってこいの薬へ変貌。中毒性は非常に高く、需要も相俟って高額である。
この世界での格差が埋まらないのは薬が貧困層に蔓延り、そこから搾取する富裕層とは別の商人等の存在に拠って思考を奪われているから、というのもまだ正気でいる学者の間では共通する認識である。
えがおさま/猿飼様
神社にまします神様の名前。”そんなものが存在しない”ことと、神社の名物が服用すれば笑いの止まらなくなるドラッグであることとで、これに類いする噂は後を絶たない。
異能/flavour= 「ありとあらゆる存在/無存在が持つ権能」。先天性でない、己が学び、修得したものや、突然発露したものでも、振るえるのなら異能と呼びつけることがある。何も先天性の特異な、誰にも使えないもののみを包括するのではない。